算数と方程式について
よく中学受験の掲示板やブログの書き込みで見かける算数と方程式についてです。
過去問で方程式は必要なのに
いざ中学受験の子供に算数を教えようとしたときに方程式の扱いについて悩むことがあるのではないでしょうか。
難関中学の算数の過去問を解くと1次方程式を利用しないと難しいのにネットで「算数」、「方程式」で検索すると「算数では方程式を利用しない方がいい」という書き込みをいくつか見ます。
そこで、おや?と考えてしまいます。
中学受験で方程式は扱わないのかな・・。?
ネット上の書き込みについて
googleで「算数」、「方程式」を検索すると検索結果の上位3件は下記になります。
これらを読むと方程式を教えることについて否定的ではないけど、積極的に教えるのはどうなんでしょう?
という風に読み取れます。
指導要領での方程式の扱いについて
文部科学省の学習指導要領では、算数をどのように扱っているか、読み解いてみたいと思います。
平成29年版の学習指導要領では、「方程式」という単語は、中学生の学習範囲から出てきており、小学生の範囲には記載されていません。
文字を用いた式について
小6では「文字を用いた式」という言葉で表現されます。
「文字を用いた式」は289ページに記載されています。
a、xを用いて式に表すのは習うようですね。
さらにその後にはこのように記載されています。
方程式について
--(引用終了)
「方程式」という単語は出てきませんが、単純な1元の1次方程式を解く内容を扱うと読み取れます。
2つの変数を用いて式を表し、1つの変数に数をあてはめ、もう1つの数を求めることも学習するので2元1次式も小学校の範囲内です。
ただ小学生の範囲では、式内の定数aは扱わないようですね。
また「連立方程式」は小学校の範囲には記載されておらず、中学校の範囲に記載されていますので、小学校では扱わないと読み取れます。
またこの方程式に該当する範囲の学習は、6年生なので、算数学習の中でも最後の方に行うとになります。
中学受験の算数入学試験での方程式
何校かの難関中学の算数を解いてみると下記のように感じました。
1元1次方程式は必要
問題文から1元1次式の式を表して解を求めれることは必須です。
これができなかったら中学受験算数では話になりません。
という状況です。
連立方程式も必要
今年の筑駒では3元連立不定方程式を用いて解く問題が出題されました。
これを連立方程式を知っている小学生と知らない小学生で有利不利がないとは考えられません。
ただ、この問題以外は、つるかめ算で対応できる問題で連立方程式を用いた方が早く解答できると思える問題は、ありませんでした。(そもそもサンプル数が少ないのですが)。
問題は連立方程式
ここまでの話で「方程式」と書いていますが、1元1次方程式の解を求めることは、中学受験で扱うことは分かります。
考え方が分かれるのは、連立方程式になります。
親が教える方程式
塾講師はプロですので、小学生に方程式を教えることに悩みは無いと思います。
問題は、親が子供に教えるときに方程式をどう扱うかを考えます。
親は方程式を教えるべきか
私は、子供に対してこのように方程式を教えるべきだと考えます。
内容は1元、2元の1次方程式と連立方程式で分かれます。
1元1次方程式
機会があったら積極的に教える。
ただし理解までは強要しない。
塾で方程式を扱う前でも教えていいと思いますが、子供の理解が無理そうならすぐに撤退しましょう。
(ただし機会があったら、何度もチャレンジしましょう。
機会を増やすことで、教わった時の子供の理解が深まると思います。)
※どうチャレンジしたらいいかは今後記載したいと思います。
2元1次式
機会があったら教えましょう。
教えるというより、問題内の誘導として用いる必要がある場合のみ教えれば問題ないです。
積極的に教える必要はないと思います。
連立方程式
基本的に子供聞かれるまでは、教えない方が無難だと思います。
これは連立かなという気持ちは思いっきりスルーしましょう。
ただし難関中学を受験するうえでは必須になるので、心配なら「連立方程式」って知ってる?たまに聞いてみるのはいいと思います。
「連立方程式」をどのように扱うかは、塾の先生にお任せしましょう。
それより、つるかめ算等の算数の腕を上げることに努めましょう。