中学受験に出るコロナ禍(SIRモデル)
「SIRモデル」って聞いたことがありますか?
そうです。Wikipediaにもある、あれです。
感染症の流行過程をモデル化したもので、
コロナ禍に伴い、今年の2月~3月ごろに話題となりました。
うまく再現できたということで、ほほーと思い、
東京の場合で計算してみると短期間で凄まじい感染者数になります。
ですが、実際は見ての通りですので、
現代の東京では、SIRモデルで感染者数を表すことはできません。
(感染症対策が良くできていたためかもしれません。)
話が長くなりましたが、このSIRモデルは、2020中受の消費税のように
2021でどこかに出題される可能性がありますので、
事前に理解しておいた方がいい内容になります。
ここからSIRモデルの説明に入ります。
SIRモデルとは、
(1)感受性保持者(Susceptible)
(2)感染者(Infected)
(3)免疫保持者(Recovered、あるいは隔離者 Removed)
の人が3つの状態を遷移するモデルとなります。
※それぞれの英語の頭文字をとってSIRとなります。
(1)を分かりやすく言うと、未感染者となります。
そのためSIRを分かりやすくすると
(1)未感染者
(2)感染者
(3)免疫保持者
となります。
そして、
(1)未感染者 → (2)感染者
と
(2)感染者 → (3)免疫保持者
へと状態が遷移する人数は、下記の式となります。
※特に覚える必要はないです。
---------------------------------------------------
・(1)未感染者 → (2)感染者
新たな感染者数 = 未感染者数 × 感染者数 × 定数A
・(2)感染者 → (3)免疫保持者
新たな免疫保持者数 = 感染者数 × 定数B
※余談ですが、新たな感染者数(感染力)は、感染者数が多いほど増えます。
そのため感染症対策として感染者を抑えるのはとても重要となります。
--------------------------------------------------
この式を使った例題は、下記のようになります。
(「新たな感染者数 = 未感染者数 × 感染者数 × 定数A」は難しすぎるので単純化しました。)
感染症は、未感染者→感染者→免疫保持者 と遷移します。
ある感染症において未感染者が99名、感染者が1名います。
感染者1人は、一週間で新たな感染者2人を増やします。
また感染者は、1週間で半分が免疫保持者になります(小数点以下切り捨て)。
未感染者が0人となるのは、何週間後でしょうか?
答えは5週目となります。
週目 | 未感染者 | 感染者 | 免疫保持者 | 新規感染者数 | 新規免疫保持者数 |
0 | 99 | 1 | 0 | - | - |
1 | 97 | 3 | 0 | 2 | 0 |
2 | 91 | 8 | 1 | 6 | 1 |
3 | 75 | 20 | 5 | 16 | 4 |
4 | 35 | 50 | 15 | 40 | 10 |
5 | -65 | 125 | 40 | 100 | 25 |
ひねった問題や面白い問題は、
作りにくいので、出題されるとしたら、
もっと難易度が低く、
算数内前半の小問集合での出題かなーと思います。
そんじゃーね。